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シェアハウスに住むことを決めた時の話

シェアハウス初訪問

私が今住んでいるシェアハウスを初めて訪れたのは一昨年の11月頃。中学からの友人であるA君と遊ぶ事になったのがきっかけだ。A君が大学の後輩とシェアハウスをしていると聞いて興味を持った私は、中学からの友人でありA君とも仲の良いB君と連絡を取り、一緒にA君が住むというシェアハウスに向かった。

 

都心から1時間程の聞いた事もない駅。迎えに来てくれたA君と合流し、3人になった。駅を降りてすぐ右手に商店街があるものの、寂れてしまっており人もほとんど歩いていない。ただ、哀艶ともいえるような魅力を感じさせていた。

 

 

歩くこと約10分、年に1度見るか見ないかというレベルの急な階段が現れる。急すぎて壁のようになっており、その先の景色が想像できない。「家の前に急な階段100段くらいあるから」とLINEで言っていた友人Aの言葉を冗談だと思っていた私は「やられたっ!」とトラバサミに囚われたような気分になった。自分に都合の悪い事から目を背けていた事への後悔と同時に、人を信じる事の大切さを両ふくらはぎを通じて思い知らされた。それと同時に、こんな階段の上に住むなんて頭がイかれてると思った。

 

辛さを忘れる為に数年ぶりに山の手線ゲームを始めるも、しんどさのあまり誰が回答者なのか分からなくなり、その事について誰も指摘せず終始無言で階段を登り続けると、気付けば約160段の階段を登りきっていた。せめて段数は逆の方に盛っておいてくれよ、と思った。

 

目の前にはボロボロの一軒家がそびえ立っている。強盗が押し入ったのに金目のものが全くなかった腹いせに鎖鎌のカマで外壁を削られ、鉄球で殴られた家なのかな?と思うほどである。

 

玄関の引き戸をガラガラと開けて家に入る。中に入ってみると、木造独特の落ち着く雰囲気で、玄関引き戸かよという心の中のツッコミが相殺された。ただ、外気温と家の中の温度がほぼ同じだった。寒い。

 

まずはA君に家を紹介してもらう。

 

A君「この家、6LDKあるんだ」

 

私「えっ・・?」

 

サザエさんの家より広い。

 

しかしこの家は持て余しているという。現在はA君とその大学時代の後輩の計2人しか住んでないためほとんどの部屋が使われておらずカーテンすら掛かっていない。1階奥の部屋においては、庭の草木が3人目の住人の如くなだれ込んでいる。

 

家具が無く真っ暗な木造住宅の部屋ほど怖いものは無い。夕方前の時点で死ぬほど怖かったので、2階を紹介してもらうのはやめた。

 

玄関奥のリビングに戻り、精米直後の米くらい硬い椅子に腰掛ける。当時は家具も十分に備わっていなかった。発泡酒で乾杯し、他愛もない話をしながら夕飯を作る。

 

当時私は会社員3年目だったが、仕事について悩んでおり、環境の変化や癒しを欲していた。石の上にも3年と思い必死に働いていたが、自分の今後や人生について頻繁に考えていた。

また、B君も私と似た境遇だった。週に1日休みがあれば良い方というブラックな職場で精神的にも肉体的にも参っているようだった。

一方、A君は個人の裁量が大きいが基本的に在宅ワークの会社で働いており、A君の顔が異常に丸顔というのもあるだろうが、幸せそうに生きているように見えた。

 

中学からの友人でいまだにに遊んでいるのはA君とB君だけだったので、最も気の置けない人たちである。時間を過ごすにつれ、そんな親友たちとシェアハウスで一緒に住んだら楽しいだろうなぁと考えるようになっていった。

休みが重なれば気軽に遊べるし、仕事が終わり家に帰れば、先に帰った人が完全封鎖してしまった玄関を後から帰ってきた人がガニ股で突破する「ドラゴンクエストモンスターズテリーのワンダーランドのゴーレムごっこ」通称「ファラオ2013」も容易にできる。

 

それからというもの、B君と仕事休みが重なった日を利用して度々シェアハウスに足を運ぶようになった。 依然としてA君は丸顔だ。

 

そして数ヶ月後、私は一人暮らししていた家から家具全てをこのシェアハウスに運んでいた。こんな所の上に住むなんて頭がイかれてる、とさえ思っていた階段を登って。

 

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